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一月八日

  • takashimorijiri
  • 2022年1月8日
  • 読了時間: 2分

ひさしぶりに戸隠にいった。

雪の白に統一された景色は見ごたえがあり、ほんとうは危ないのだが、車を運転しながらずっとよそ見をしていた。先日すべらせたばかりだというのに(幸いだいじにはいたらなかった)。

年越しそばではないが、そば屋によってそばを食べた。戸隠はそばで名がしられている。ぼくはそばのことがよくわからない。もちろん、美味い。けれども、ぼくはそばよりも、そば湯のほうがよっぽど美味く感じるのだ。そんなの別物じゃん、そばがあるからこそのそば湯じゃん、というのもわかるけれどぼくはどうにもそば湯が好きなのだ。そばよりもそば湯が好きなのだ。異論は却下。好きなんだからしょうがないじゃん。だって美味いんだもん。ああ、そば湯、はあ、どうしてきみはなんでなぜにしてホワイそば湯なの、というテンション高めなことをいいたくなるくらいには好きなのだ。


戸隠の家は雪にうもれていた。屋根も庭も天の砂糖に覆われ、分厚いミルフィーユケーキと化し、野性動物の足で踏みかためられていた。

ぼくは、なんでただの水がこんなダンベルに変身するのだろう、という錬金術っぽい文句をたれながら、地球の神秘のおバカさんがつくりだしたヤバい白い粉をかきわけた。つまり雪かきをしたわけです。


近日中に凍結したトイレをとかし、三台ある素晴らしく古風なストーヴがちゃんと動いてくださるか確かめさせていただくために、灯油を持参し参上つかまつる。ニンニン(なんと戸隠は忍者の里でもあったらしい)。





 
 

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