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八月三十日

  • takashimorijiri
  • 2021年8月31日
  • 読了時間: 1分

更新日:2021年9月16日

秋そばの白い花が咲いている。虫がだいぶ減ってきた。冬はあっという間にくるだろう。

軒まわりの修理がおおまかに終わった。もう少し時間がかかると思っていたが、意外とはやく終わった。はやく終わりすぎてしまった。はやく終わらせすぎてしまった。

「誰もみやしねえよ」とおっちゃんはいう。

「誰かにみられる、みられない、ということもあるかもしれないけど、それだけじゃないんだよなあ」とぼくは思う。

「みえないところに気をつかうのがオシャレ」というのとは違う。別にパンツがどうとか、靴下がどうとか、ふだんは気にしない(場合によってはちょっとは気にする)。

ただその都度いい仕事がしたいだけなのだ。素人なりに。

無駄なく、手早く、効率的に、という仕事の仕方もわかるし、できないわけじゃない。無駄なく、手早く、効率的に、という仕事の楽しさもわかる。それは技術屋的な楽しみ方なのだろう。けど、そっちに偏ると労働になりすぎてしまう。この家の修理に関していえば、そういう仕事はなるべくしたくない。これは遊び。もちろんじっさいには、ふたつの方向が混ざりあっている。

できるだけ右往左往、彷徨する方向で楽しみたい。これは奉公ではないし。よくわからない何かへの奉公ではあるかもしれないけど。

 
 

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