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十一月七日

  • takashimorijiri
  • 2021年11月8日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年11月16日

久しぶりに戸隠にいった。しばらくいけなかったのには、いくつか理由はあるのだが、いちばんは気温が変わり、まったく何もやる気がおきなかったからだと思う。いこうと思ったのは、たぶん徐々に寒さに慣れてきたということだろう。

道は部分的に舗装しなおされ、真新しい人工的な白と黒の直線と、赤、黄に色づく山々がコントラストをなし、車を運転しながら心動かされるものがあった。

家につくと庭の紅葉は燃えるように赤かった。他の植物も葉が茶色に変わり、あるいは落ちはじめ、冬へのうつろいを感じさせる。

こうして「描写」をしているのは、おそらく最近読んでいる本が影響している。小説についての本なのだが(小説なのか小説じゃないのか曖昧な小説論)「風景描写」についてうんぬんかんぬん書かれていたからか、おそらく試しに書いているのだろう。

と、こういう「わたしは、いま何なにを書いているが、それは何なにの影響で」とメタ的な考察を加えることは、その小説についての本の著者が用いる手法なのだが(こういうことを書いている「わたし」とは……、とその考察は延々つづく。それは近代~的な?がんじがらめの「わたし」の強固ではなく、現代~的な?「わたし」のやわらかい解体のほうへ)。

そんなことはたいした問題じゃなく、大切なことも面白く書かれている本なので、いまも黙々と読みながらこれを書いている。もちろん、文字通り「読みながら書く」なんてことは自分で文章を書いているときか、何かを書き写すとき以外できないはずだから(何かを書くとき、同時にそれを読んでもいる)、さっきまでその本を読んでいて、いまはこの文章を書いている、という意味。

草刈りを少しした。ようやくいろいろ落ち着いてきた。家の改築を再開しようと考えている。給湯器などの整備が終わったら、いよいよ引越しということになるだろう。

いまカフェにいるのだが、右斜め前の席の女性たちが、結婚し苗字が変わることについて話している。といってもその話題はいっときのもので、つぎからつぎへと話題は変わっていく。

 
 

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