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十二月二十八日

  • takashimorijiri
  • 2021年12月28日
  • 読了時間: 2分

ここのところ断続的に雪が降っている。島の片側半分だけ。天気予報士によると冬型の気圧配置のせいらしい。

雪が降れば何かやる気がでるだろうという意味不明な希望的観測はあてがはずれ、おそらく雪深いであろう戸隠の家へはすっかり足が遠のいている。

とはいえ、何もしていないわけではなくて、あれこれ考えてはいる。逆にいえば考えてる以外何もしてない。もちろん大したことは考えてはいない。そのことは以下に記す。それもこれもすべて雪のせいということにする。ごめんね雪ちゃん。

とはいえ近所のひとに「もうすぐ引越しますよ!」とかいってしまった手前、ほんとにもうすぐ引っ越さなければならない、という何か強迫観念みたいなものにかられているから、少なくとももうすぐ引っ越すことになるだろうたぶん。ほら、「雪かきのやり方教えたる!」ていっていただいたし。年明け、そうだ、年明けには。いや、一月中には……。

ああ寒い。古い家は寒い。ぜったい寒いよお。凍え死ぬ。ああ、やだよお。引っ越したくないよお。というなさけない心の声が胸に手をあてなくとも聞こえてくる。ああ、なんであんなとこに住もうと思ったんだろ、アホちゃうかおれ、という後悔さんのつぶやきが聞こえてくる。てかなんで胸に手をあてるっていうんだろ、よくわからん、耳がとどかないからかなあ、まあいいや。

やれやれやれやれ、ああやれやれ。でも引っ越したら引っ越したでなんとかやっていけるということはわかっている。それなりに充実感をえられることだろう。きっと家の改築もすすむことだろう。「自分の好きな空間」(なんだそれ?)をつくることができるのだ! 膨大な「自分の時間」(なんだそれ?)を手にすることができるのだ!

だからがんばれ! おれ!

うん、がんばる! だからとりあえず年末だし酒飲む!

こうしてぼくはいまビールを飲んでいる。

 
 

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